マナカ(manaca)とは、おもに愛知エリアで使われている交通系ICカードです。乗車券と電子マネーが1枚になっています。ほかにもエリアによってSuicaやPASUMO、TOICA、PiTaPaやICOCAなどが有名ですね。
みなさんは通勤、通学などで当たり前に使っていると思いますが、意外に知られていないのが、マイレージポイントが貯まることです。普通にマナカエリア内の電車やバスを利用しているだけで実は貯まっています。
Suicaなどの他のICカードでは、提携するお店で使えばポイントが貯まることはあっても、通常の乗車料金でポイントがもらえるのは珍しいです。今までmanacaを使っていたけどポイントなんて気にしたことなかった!という方は、ぜひこの機会に意識してみてください。
manaca(マナカ)のポイントの還元率
マナカを利用して支払えば、ポイントが付与される交通機関はおもに下記の通りです。
- 地下鉄・市バス
- ゆとりーとライン
- 名古屋鉄道(名鉄)
- 名鉄バス
- リニモ
*JRを使っている方は残念!対象外です。
通常ポイントの還元率(市バス・地下鉄の場合)
マナカのポイントの貯まり方は上記の交通事業社によって異なります。ここでは利用者も多い、名古屋市が運営する市バス・地下鉄の例をみてみましょう。
通常のマナカであれば、1か月間(毎月1日から末日)に市バス・地下鉄を2,000円以上利用すると利用金額に応じてポイントがたまります。1か月の合計利用金額が多いほどポイント率は高くなります。還元率は以下の通りです。
大人用マナカ | 小児用・割引用マナカ | ポイント率 |
15,000円以上 | 7,500円以上 | 4% |
10,000円以上 15,000円未満 | 5,000円以上 7,500円未満 | 3% |
5,000円以上 10,000円未満 | 2,500円以上 5,000円未満 | 2% |
2,000円以上 5,000円未満 | 1,000円以上 2,500円未満 | 1% |
*合計利用金額の1,000円(小児用及び割引用は500円)未満の金額は切り捨て
地元の人でもあまり知られてはいなかったのですが、以前は還元率10~14%ほどありました。数か月だと定期を買わなくても、普通に乗車していた方がポイント還元で実質お得という現象も起きていました。2023年7月からこの還元率に変更となり大幅減となりました。
平日昼間ボーナスポイント
「平日の昼間」の利用に対しては、通常ポイントよりお得な「ボーナスポイント」が適用されます。基本ポイントに上乗せしてポイントがたまります。
ここでいう「平日昼間」というのは【午前10時から午後4時】です。
区分 | 大人用マナカ | 小児用・割引用マナカ | ポイント率 |
市バス | 2,000円以上 | 1,000円以上 | 30% |
地下鉄 | 2,000円以上 | 1,000円以上 | 20% |
1か月間の合計利用金額のうち、平日昼間利用分には基本ポイントに上乗せしてポイントがたまります。
要するに【平日の午前10時から午後4時】利用は脅威の34%還元(市バスの場合)、地下鉄でも24%還元が可能です!
日本でよくある【平日9:00~18:00】の勤務帯の人はなかなか難しいですが、この時間帯をよく利用する人はポイント還元を忘れずにしておきましょう。
manacaマイレージポイントの確認方法
利用するとポイントは自動的にセンターに貯まっていくのですが、マナカのチャージ機や切符販売機で「ポイント還元」をしてはじめて手持ちのカードに付与されます。
定期で利用している方も、定期券外のエリアを利用したときの分が貯まっていますので、知らず知らずのうちに結構なポイントが貯まっているかもしれません。
「定期券」と「通常運賃マナカ」ではどっちがお得か
「定期券」利用の場合と、通常運賃でマナカを利用した乗車ではポイント還元を差し引くとどちらがお得かを比べてみました。
覚王山-名古屋間【平日9:00-18:00】勤務の場合
例えばここでは【東山線の覚王山から名古屋へ】平日通勤しているサラリーマンを例にみてみましょう。通常マナカで行くと、往復480円(片道240円)の区間です。月の出勤日は平均にして20日として考えています。
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | |
覚王山-名古屋間 1ヶ月の通勤定期券 | 9,540円 | 27,190円 | 51,520円 |
通常マナカ通勤 | 9,600円 | 28,800円 | 57,600円 |
還元額 | -192円(2%) | -1,152円(4%) | -2,304円(4%) |
還元後実質負担 | 9,408円 | 27,648円 | 55,296円 |
定期券との比較 | マナカの方が132円お得 | 定期の方が458円お得 | 定期の方が3776円お得 |
*月の利用5,000円以上 10,000円未満を適用
さすがに通常ポイントの最大4%還元では長期の定期を購入する方が圧倒的にお得です。ただ1か月では通常の値段よりマナカポイントで還元するほうがお得な場合があります。
ただ、定期券のメリットは何度その区間に乗車しても定期区間であれば払えてしまうことです。たとえそれが土日で遊びに行くとしても定期を使って遊びに行けるため、一概にはどちらがお得かはわかりません。
覚王山-名古屋間【平日11:00-20:00】勤務の場合
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | |
覚王山-名古屋間 1ヶ月の通勤定期券 | 9,540円 | 27,190円 | 51,520円 |
通常マナカ通勤 | 9,600円 | 28,800円 | 57,600円 |
還元額 | -192円(2%) | -1,152円(4%) | -2,304円(4%) |
往路分ボーナスポイント | -960円(20%) | -2,880円(20%) | -5,760円(20%) |
還元後実質負担 | 8,448円 | 24,768円 | 49,536円 |
定期券との比較 | マナカの方が1,092円お得 | マナカの方が2,422円お得 | マナカのほうが1,984円お得 |
なんと定期券を買うよりマナカにチャージしてポイントを還元していく方が普通にお得という結果です。
ただ6か月の場合になると1984円お得ですが1か月換算で330円/月ほどでそこまでうまみがありません。
ポイントの期限と失効
センターポイントの有効期限は、付与された日からその翌年の同月末日までです。有効期限を過ぎると、 センターポイントは失効しますので注意が必要です。
定期的にポイントを確認してカードに還元することを忘れないようにしないといけません。
まとめ
今回はシンプルな地下鉄でしか検証していませんが、出勤時間や交通機関、定期エリアの利用頻度などさまざまな条件で、どちらがお得か変わってくるかもしれません。
定期区間を休みの日などもよく使い、定期券の利用頻度が高い人は定期券が良いです。ですがそんな人も普段から定期区間外で電車を利用する人はポイントがたまっていないか確認してみてください。
特に平日の昼間の時間帯に電車に乗ることがある人はこのマナカのポイント還元を強く意識してみてください。ある期間で消えてしまうので、忘れずに定期的に券売機でポイント還元の処理をしてみてくださいね。思わぬポイントがたまってるかもしれませんよ。