「また…月曜日が来る…」
この言葉に、心当たりがある人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。私自身もそのうちの一人。私は営業が嫌でうつ病になった経験があります。しかし、その後、自分を徹底的に見つめ直したことで、転職し社会人生活を再び送ることができるようにまでなりました。今回は、そんな私自身の経験談をお話ししたいと思います。
*こちらの記事は、michimuraの知り合いが語ってくれた貴重な経験談をもとに編集した記事になります。
Contents
営業が嫌すぎてうつ病になり退職
新卒でメーカーの営業職に就職
新卒だった私は就職氷河期の中、必死の思いで、とあるメーカーの営業職に就職しました。
仕事内容はルート営業。ネット掲示板では「比較的楽な仕事」と書いてあったので、それを鵜呑みにして入社しました。私にはその仕事が、とにかく合っていなかった。来る日も来る日も、飲み会に次ぐ、飲み会。何かを売るという仕事というより、顔をつなぐことが何よりも大事な仕事でした。私は毎日辞めたい、辞めたいと思いながら日々を過ごしていました。
突然、鬱病と診断される
ある日の朝、突然布団から出られなくなりました。
意味もなく、目から涙が溢れて止まりませんでした。
震える手で会社に電話をかけると「病院に行ってこい」の一言。私は、どこの病院に行けば良いのかもわかりませんでした。実家で共に暮らしていた母親に連れられ、初めて行った心療内科。そこで診断されたのはなんと、「うつ病」でした。
自分のすべてを否定された絶望感
診断を受けた私は、あまりの情けなさに絶望を感じていました。
「自分は社会人にはなれない」
自分はもうこれ以上、普通の生活を送ることはできない。自分は「人並み」にすらなれない。今、冷静に振り返ると「営業職」が自分に合っていなかっただけなのですが、当時は自分のすべてを否定された思いでした。
診断を受けて、私は会社を退職しました。それからというもの、ひたすら眠り続ける毎日を過ごしました。この頃の記憶は、今もほとんど思い出すことができません。
うつ病の絶望の中でも続けていた「日記を書くこと」
日記がもたらしてくれた「徹底的な自己分析」
悶々とした日々を過ごしていく中で、唯一続けていたことがありました。それは「日記を書く」ことでした。そしてそれは、自分を救うかけがえのないものとなりました。ある日、ふと毎日書いていた日記を見返してみました。毎日のように書かれていた「嫌だ」「辞めたい」という文字。見続けていると、いくつか見えてきたことがありました。
- 自分が何を嫌と感じているのか
- 自分はどうなりたいのか
- どのような状態にいることが理想なのか
日記で書かれている言葉の数々が、「徹底的な自己分析」に繋がっていると気がついたのです。
自己分析を元に転職先を考える
日記に書かれている言葉を元に、これらの項目を分類して考えてみました。これにより自分の思いがさらに明確に見えてきました。
- 転職する上で絶対に譲れないこと
- 転職する上で許容できること
転職する上で絶対に譲れないこと
①営業以外の仕事
退職した会社はどちらかというと体育会系で、社内社外問わず飲み会が多かったです。物を売るというより、人脈作る仕事という感じでした。本業が何なのかよくわからなくなり、とにかく仕事内容が面白くなかった。→もう営業の仕事だけはしたくない
②ワークライフバランス
社員同士の人間関係は良かったのですが、その一方で、プライベートでも会う機会が多かったことが嫌だった。→なるべく仕事とプライベートは分け、職場の人間とはドライな関係が良い
③なるべく快適な通勤
仕事場が少し遠く、朝が8:45始業だったので、起きるのが早く、毎日の満員電車がかなり苦痛だった。→通勤ラッシュを避けたい
転職する上で許容できること
①責任ある仕事
もともと責任感はある方だったので、やりがいのある仕事であれば与えられたことはしっかりやる自信があった。→自分に向いているやりがいのある仕事を探す
②新しい人間関係の構築
これまでの人生の中では新しく人間関係の築くことは苦手ではなかった。→人間関係はある程度うまくやれるという自負
③長時間労働
残業が多い仕事であったが、そこに対してはそこまで苦痛ではなかった→就業時間が長いことは別に苦ではない
導き出した理想の転職先「塾講師」
これらの自己分析の結果、「塾講師」が自分に合っているのではないかと考えました。理由は、「塾講師」の仕事の性質にあります。
自分の理想と塾講師の仕事の性質
①自分に合った仕事内容
営業の仕事ではないだけでも、転職する意味がありました。そして、教育業界という真面目な業界も自分に合っているし、人生のかかった受験のお手伝いをする責任ある仕事なので、やりがいを持って働くことができると思った。
②適度なワークライフバランス
生徒や保護者との人間関係なので、体育会系のノリや飲み会にまず発展しない。塾講師は遅い時間まで働くことも多いので、社内の飲みに行く機会も少ない。また、転職することで人間関係がリセットされる。不必要な飲みや、休みの日まで遊ぶような付き合い方を避ければ仕事とプライベートを分けた働き方を構築することができると思った。
③自分の生活リズムに合った通勤
塾講師の仕事は朝が遅いが夜も遅くなりがちな仕事。しかし、朝が遅いので満員電車に乗る必要が無くなる。また、どちらかというと夜型だったので、夜遅くなること自体は耐えることができるはずと判断できた。
理想を意識した転職活動
結果的に、上記三つを意識して塾講師を中心に転職活動を少しずつ始めてみました。事前に自己分析ができていたし、自分の理想の職場も考えていたため、面接で聞かれる退職理由や志望動機をスムーズに答えることができました。
その結果、退職から半年後ぐらいで社会人としての生活を新たに始めることが出来ました。紆余曲折はありながらも、今ではあのタイミングで転職できて本当に良かったと思っています。
まとめ
私は営業職が嫌で、うつ病にまでなってしまいましたが、自分が「なにに対して一番嫌だと感じているのか」について、徹底的に向き合うことで、自分に合う転職先は見つかるということを身をもって知りました。
日記を書くことは、自分自身の潜在的な思いに気づくことができるので、転職を考えている方には本当におすすめです。仕事が辛くなった時、辞めたくなった時、是非一度、日記を書き出してみてはいかがでしょうか。