Oasys(オアシス)とは、2022年2月8日に発足した、日本発のゲームに特化したブロックチェーンを開発するプロジェクトです。
現状のブロックチェーンゲームは、まだまだ認知度も低く、ある程度の専門知識や準備するものがあるなど、さまざまな参入障壁がネックとなっています。
このプロジェクトは、いわゆる「ガス代」とよばれるような手数料を気にすることなく、取引処理の高速化を実現し、プレイヤーにとって、より快適なゲーム環境の提供することを目的としたブロックチェーンです。
世界中でブロックチェーン技術やNFTが注目されている中、今回は、この日本発のブロックチェーンゲームプロジェクトとして、期待されるOasys(オアシス)について深掘りしていきます。
Contents
Oasys(オアシス)の概要
ブロックチェーンなどWEB3.0関連の話は本当に専門用語が多くて、難しいですが、ここではなるべくシンプルに説明しています。
Oasysは、「Oasysアーキテクチャ」とよばれる独自構造をもち、以下の2つのレイヤーで構成されています。
- レイヤー1:Hub-Layer(ハブレイヤー)
- レイヤー2:Verse-Layer(バースレイヤー)
この2つのレイヤーは、それぞれ役割をもっています。
まず、Hub-Layerと呼ばれる「レイヤー1」は、ネットワークの安定、データやトークンの管理などを行う作業を行っています。
Verse-Layerとよばれる「レイヤー2」では、それぞれゲームのトランザクションを処理する役割をもち、ゲーム上の細かいトランザクションはこちらで行います。
要するに、この2層構造のレイヤーで役割を分担することで、処理の高速化を実現しているということです。
また、Oasysはコンセンサスアルゴリズムに、PoS(プルーフオブステーク)方式を採用しており、環境面にも配慮したブロックチェーンであることも強調しています。
豪華なメンバーと初期バリデータ
このプロジェクトは、以下の豪華メンバーが参画しています。
創設メンバー
創設メンバーは以下の通りです。
- Gabby Dizon氏(Yield Guild Games)
- 中谷 始氏(バンダイナムコ研究所)
- 國光 宏尚氏(gumi、Thirdverse )
- 上野 広伸氏(double jump.tokyo)
- 内海 州史氏(セガ)
初期のバリデータの21社
そして、初期バリデータには、以下の21社が選ばれています。
Aster Network(アスターネットワーク)、バンダイナムコ研究所、bitFlyer(ビットフライヤー)、BOBG(ボブジー)、Com2uS(カムツス)、CryptoGames(クリプトゲームス)、doublejump.tokyo(ダブルジャンプトウキョウ)、GREE(グリー)、gumi(グミ)、Jump Crypto(ジャンプクリプト)、MCH(エムシーエイチ)、Mythical Games(ミシカルゲームス)、neowiz(ネオウィズ)、netmarble(ネットマーブル)、NHN PlayArt、SEGA(セガ)、SQUARE ENIX(スクウェア・エニックス)、Thirdverse(サードバース)、UBISOFT(ユービーアイソフト)、WEMADE(ウィメイド)、Yield Guild Games(イールドギルドゲームス)
この「初期バリデータ」は、それぞれがネットワークに接続し、ブロックチェーン上の取引が正しいかを検証するノードとして機能します。
おもにゲーム会社が並んでおり、だれもが聞いたことのある超有名企業も名を連ねています。それだけ日本のゲームメーカーは、ブロックチェーンゲームやWEB3.0事業に関心が高いことがわかります。
Oasys(オアシス)のパートナーシップ企業
ここでは、戦略的パートナーシップを結んだ例の一部をご紹介します。
メタマスク(MetaMask)
Oasys は2022年6月23日に、界隈でよく使われている暗号資産ウォレット「メタマスク(MetaMask)」を開発する企業「ConsenSys」との提携を発表しました。
すでに世界中で使われおり、実績のあるメタマスク(MetaMask)を活用して、インフラ構築をすることがわかります。
tofuNFT
tofuNFTとは、日本企業のCOINJINJA(コインジンジャ)が立ち上げた、さまざまな種類のブロックチェーンに対応したNFTマーケットプレイスです。
「My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)」などブロックチェーンゲームのNFTも取扱われています。
すでにリリースされているマーケットプレイス「tofuNFT」とパートナーシップを結んだことにより、スピード感あるエコシステムのインフラ強化が実現できます。
Yield Guild Games(YGG)Japan
Oasysは、世界最大級のブロックチェーンゲームギルドYGGの日本支部「Yield Guild Games(YGG)Japan」と戦略的パートナーシップを締結しています。
YGGは、ブロックチェーンゲームの元祖ともいわれる「アクシーインフィニティ」をはじめ、さまざまなタイトルを扱い、NFTを貸し出す「スカラーシップ制度」を活用するなどして、ブロックチェーンゲーム市場に貢献しているゲームギルドです。
今後、このギルドとの連携によって、Oasysが取り扱うタイトルでスムーズなスカラーシップ制度の活用が期待できます。
独自のトークン「OAS」
Oasysでは、そのエコシステム内で使用できる独自の「OASトークン」をリリースする予定です。
OASトークンはOasysエコシステムの主要通貨であり、ゲーム内の決済、マーケットプレイスでもNFT売買など、さまざまなところで活用されることになりそうです。
Oasys採用のゲームタイトル
肝心のゲームタイトルは、まだまだ開発中のゲームばかりだと思いますので、今後の発表などに期待です。
発表されたものとしては、セガの「三国志大戦」というタイトルを活用したブロックチェーンカードゲームや、2023年夏ごろにリリース予定のDMM.comが手掛けるブロックチェーンゲームがあり、着実にプロジェクトは進められています。
まとめ
まだまだ参入障壁が多く、インフラも整っていないこの業界ですが、これだけ大手企業も注目し、プロジェクトは着実に進められていることがわかっていただけたでしょうか。
最初の方は、まだ試験的な意味合いが強いので、誰もが知るメジャータイトルでは出してこないと思いますが、これだけの強力な企業協賛やパートナーをもっているため、この先発表されるゲームには期待してしまいます。
また、このようなプロジェクトのニュースは内容が難しいですが、そもそもブロックチェーンやNFTの仕組みなどを深く理解する必要はないと思います。
そういった、技術面の難しいことをプレイヤーに感じさせないように、環境を整えるプロジェクトだと思いますので、こういったニュースをたまに調べながら、将来のゲーム業界に期待し、気長に待ちましょう。